社会貢献活動
次世代教育支援
クレハは化学企業として、将来を担う若者へ化学の楽しさや未来への可能性を伝えることで、化学へ関心をもつ若者が増え、持続可能な社会の発展へ貢献してくれることを願い、次世代教育にも積極的に取り組んでいます。
目標 / あるべき姿
- 地域社会との共生と継続的なリスクコミュニケーションを通じ、社会から信頼される事業所となる。
2022年度計画
【次世代育成】
- 見学やインターンシップの実施などを通じた教育支援の継続
2022年度報告・成果
【次世代育成】
- オンラインツールを利用した見学に加え、新型コロナウイルス感染症にともなう制限の緩和により、対面での教育の場の提供も一部再開
次世代教育支援の概要
子どもたちの理科離れが問題となり始めたことに対して、当社は、「化学の楽しさ、未来への可能性」を子どもたちに伝えたいという想いから、次世代教育支援をスタートさせました。いわき事業所で始まったこの活動は、現在、他の事業所にも広がっています。小学生から高校生・高専生までの各世代に対して、理科授業や職場体験などさまざまな形で支援活動を実施しています。
小学校理科授業支援 -子どもたちに「化学」の楽しさを-
(2020、2021、2022年度は、コロナ禍で開催を見合わせました。)
いわき事業所では、1999年度から小学校を対象に理科授業を開始し、23年間にわたって、のべ2,847名の小学生に理科の楽しさを伝えてきました。現在は、5年生には事業所見学を、6年生には理科授業を実際に体験してもらう構成となっており、若手の技術系社員が講師を務め、自分たちで授業プログラムを考えて実施しています。
白川博士特別実験教室への協賛
クレハは、白川英樹博士(2000年、ノーベル化学賞受賞)が、化学の不思議さや面白さを子どもたちに伝える目的で、小学生から高校生を対象に全国各地で実施している特別実験教室に、2017年度から協賛しています。電気を通すプラスチック(導電性プラスチック)の仕組みを学んだ後、クレハのピエゾフィルム(圧電フィルム)に導電性プラスチックを塗布して膜を作り、参加者一人ひとりが透明スピーカーを製作しています。2020、2021年度は、コロナ禍で開催延期となりましたが、2022年度は体験型子ども科学館O-Labo(大分市、会場:大分大学)主催で開催されました。
中学生、高校生、高専生、看護専門学生の企業見学
いわき事業所では、近隣の中学生、高校生や高専生を対象に、化学工場内の設備や仕事を学ぶ見学会を実施しています。生産現場での三交替勤務や生産設備の仕組みの紹介、社内で活躍する同校出身の先輩による進路選択のアドバイスを含む講演などを行っています。2021年度、2022年度はコロナ禍で要約した説明やオンラインでの開催、および学校を訪問しての企業説明を実施しました。また、樹脂加工事業所柏原地区では、近隣の看護専門学生の「労働者に対する保健活動」授業の一環として、従業員の働き方や健康増進のための環境づくりの実例などを学ぶ機会を提供しています。
職場体験、インターンシップ
いわき事業所では、地域の中学生、高校生や高専生を対象に就業体験やキャリア教育の機会として、職場体験、インターンシップの受け入れを行っています。
- 中学生
生産現場に潜む危険の疑似体験、救急救命講習、安全意識の大切さを知る実習(1日間) - 高校生
生産現場での運転管理業務を経験する実習(3日間) - 高専生
製造現場や研究所での実験・分析業務、学校と企業の実験の違いを学ぶ実習(5~10日間)
樹脂加工事業所においても、地元高校生のインターンシップを受け入れています。
- 高校生
「NEWクレラップ」の製造工程での実習
食育推進活動
子どもたちとご家族の「食」への関心を深めていただくことを目的として、いわき市の小学校に「親子ふれあい弁当デー」が設けられたのを機に、小学生を対象とした「お弁当コンテスト」と「食育講演会」が毎年開催されています。これらは食品スーパーの株式会社マルトが中心となり、食に関連する地元企業が協賛して開催されていますが、当社もコンテストの審査員や表彰式に携わることで協賛し、地域の子どもたちの健全な育成に役立ちたいと考えています。コロナ禍で規模は縮小されましたが2022年度も無事に開催されました。
外部からの評価
福島県「環境教育サポート団体」登録、「福島県家庭教育応援企業」認証
いわき事業所は、2017年1月、福島県が実施する「環境教育サポート団体」(環境保全・回復に関する講座や自然体験活動などを行う民間団体や事業者を登録する制度)に登録されました。また、2019年度には、家庭教育推進のための環境づくりに取り組んでいるとして、福島県教育委員会が主催する「家庭教育応援企業」の認証を受けました。今後も、企業見学や職場体験、クレハ総合グラウンドをはじめとする企業施設の貸し出しなど、当社の設備や人財を活かした地域支援の充実を進めていきます。
文化・スポーツ交流
クレハは、地域の皆様、グループ会社、従業員が互いに良好なコミュニケーションをとりながら、地域の発展にも貢献できるようさまざまな文化・スポーツ交流を行っています。
目標 / あるべき姿
- 地域社会との共生と継続的なリスクコミュニケーションを通じ、社会から信頼される事業所となる。
2022年度計画
【文化・スポーツ交流】
- 地域行事への参加
2022年度報告・成果
【文化・スポーツ交流】
- 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、総じて中止
オールクレハスポーツフェスティバル
(2020、2021、2022年度は、コロナ禍で開催を見合わせました。)
いわき事業所では、クレハグループ各社の従業員とその家族の親睦および地域の皆様との交流を深めることを目的として、毎年、クレハ主催のスポーツフェスティバルを開催しています。第18回目となった2019年度は、近隣地区役員、商店会、勿来地区小・中学校の皆様などの招待者を含む約2,000名が参加しました。
いわきおどり勿来大会
(2020、2021、2022年度は、コロナ禍の状況を踏まえて中止となりました。)
「いわきおどり」は1960年(昭和35年)に誕生以来、いわき市の夏の風物詩として踊り継がれています。いわき事業所をはじめ当社グループ各社も、毎年参加しています。新入社員を中心に、幹部社員も加わり、地域の方々との交流を図っています。
樹脂加工事業所の取り組み
樹脂加工事業所の茨城地区、柏原地区では、地域との共生、貢献、ふれあいなどを目的に、地域自治会の行事などに参加して、地域の方々と交流を深めています。
ボランティア・寄付活動
クレハは、拠点をおくそれぞれの地域社会へのさまざまな支援活動を通じて、社会貢献に取り組んでいます。
社会貢献への支出額
2022年度の当社の寄付金支出*は、総額約2,200万円でした。内訳は特定公益増進法人に対する寄付金が約1,500万円、化学系人財育成を含む寄付金が約680万円、日本赤十字社などへの寄付金が約25万円となっています。
- * 支出には、寄付金の他に自社製品を含みます。
献血活動
いわき事業所では、日本赤十字社からの依頼を受けて献血活動に協力しています。通常は年3回計画的に実施していますが、緊急の要請があれば計画外の受け入れにも対応しています。この献血活動は1987年7月から開始され、2019年度からは同時に骨髄バンクへの登録も行っています。
ピンクリボン支援活動
現在、日本人女性の9人に1人が乳がんにかかる*と言われていますが、早期に発見し適切な治療を行えば、良好な経過も期待できます。当社は、「あらゆる女性がより楽しく活き活きと生活できる手助けを」という想いで、2009年から「NEWクレラップ」、2010年からは「キチントさん」(一部)商品にピンクリボンマークを付け、売り上げの一部を公益財団法人日本対がん協会「ほほえみ基金」に寄付しています。
- * 出典:国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス「最新がん統計」(2022年11月16日更新・確認日)
国連WFP協会への支援
現在、世界では8億人を超える人々*1が飢餓に苦しんでいます。当社は、「NEWクレラップ」をはじめとする家庭用品で食材をおいしく保存し、残さず食べきることで食品ロスの削減に貢献したいという想いから、2022年より、飢餓の撲滅を使命に活動するWFP*2国連世界食糧計画(国連WFP)を支援する取り組みを開始しました。日本における国連WFPの公式支援窓口である認定NPO法人「国連WFP協会」主催の「ごちそうさまチャレンジ」への参加と、当社が独自で実施している食品ロスキャンペーンを通して、学校給食支援・母子栄養支援となる寄付活動を行っています。
- *1 出典:FAO “The State of Food Security and Nutrition in the World"(SOFI) 2022
- *2 World Food Programme
ベルマーク運動への協賛
ベルマーク運動は「すべての子どもに等しく、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい」という願いのもと、文部科学省の許可を得て設立された「教育設備助成会」(現在のベルマーク教育助成財団)により1960年に始まりました。当社は1996年より「NEWクレラップ」を通してベルマーク運動に協賛し、教育機関や福祉団体を支援しています。2014年からは財団主催の「ベルマーク運動説明会」にも参加し、全国各地のPTA役員の皆様へ協賛している「NEWクレラップ」のサンプル配布とともに、当社の取り組みを説明するなどの交流を図っています。
キャップを集めてワクチン支援
いわき事業所では、世界の子どもへのワクチン支援につながるペットボトルのキャップ回収運動に、2008年度から参加しています。回収業者が不在になったため一時中断しましたが2022年度に再開し、単年度で総重量約170 kgのペットボトルキャップを回収し磐城農業高等学校インターアクト部に寄託しました。 樹脂加工事業所柏原地区も、2015年度から丹波市国際交流協会のキャップ回収運動に参加し、回収したキャップを同協会に寄贈しています。